ケータリングで、また一つ素晴らしい感動的な出会いがありました。
今回の会場は伊丹のスワンホール。それが何の会か私たちは知りません。私たちケータリングスタッフは、基本的にお客様の好みに応じたお料理とドリンクを人数分ご提供するのが基本で、会の内容まではあまり聞かないのです(お客様から言ってくださる場合はもちろんプランニングそしてレイアウトも致します)
会場で準備をしながら、この会が「この本大好きの会 伊丹支部」での、ある先生の送別会だとわかりました。お母様の介護で岡山に帰る先生のために、関係者や生徒さんの父兄が開いたお別れ会でした。
その先生の長い歴史と人生を、私たちのお料理を召し上がりながら、振り返っていくのです。こういった瞬間に立ち会える喜び。私は、ケータリングをして良かった、と本当に胸が熱くなります。
みなさんが先生にメッセージを言われるのですが、その一言一言から、本当に素晴らしい先生だったのだな…と伝わってきました。
伊丹で35年勤務、先生歴は38年。大変な子ども達が多い中、本を読んで聞かせる活動を続けていらっしゃったということです。先生の読む声は、プロのアナウンサーが読むより、内容を「活かす」とても澄み切った声で、その読み聞かせ方からも、子どもの心に訴えたい、という深い気持ちが感じられます。
「これは、私が絶対続ける。子ども達に伝えるんだ!」
という情熱。
先生は、最後に、ポプラ社発行の「だんごどっこいしょ」という絵本を読まれていたのですが、私はそばで片付けの途中でありながら涙が止まらなくなりました。
このおはなしの中から、どれだけ子どもとコミュニケーションを取ってこられたのか、声・目・表情ですべて伝わってくるのです。
私が何度も溢れる涙を拭いていると、驚く事に、ある一人の先生が
「平川さんのお母様では? 千輝くんはお元気ですか?」
と声をかけて下さいました。
なんと、二男の千輝の小学校で、お世話になった先生でした。そのころ、私は子育てと同時に、仕事でとても忙しい時期でもあり、「絵本を読んであげる」と子どもに言いつつも、結局一日3分の1ページしか読めない…という感じでした。
千輝は、学校がイヤで、ずっと医務室で過ごしている子だったそうです。しかし、感性は、人一倍強く、私がびっくりするような事を彼から聞いたりしました。
連日連夜繰り広げられる従業員との我が家での“飲み会”。
そんな中で私が常にスタッフに言い聞かせる言葉の一つに、
「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」
があります。京セラの創業者・稲盛和夫氏の講演テープを聞き深く感銘を受けたもので、
「自分のためにならない言葉は、やさしく、心地いいもの。自分のためになる言葉は、耳ざわりのいい優しい言葉ではなく、情け容赦もないくらいにきついもの、それを素直に聞く勇気を持ちなさい」という気持ちを込めて伝えてきたのですが、千輝は(当時小学生)
「お母さんは、AさんにもBさんにも同じことを言ってるのに、なんで出る結果がみんなちゃうの?」
と不思議に思って私に聞いてきたのです。私は唸りました。
すぐに答えられませんでした。
「千輝はどう思う?」
しばらくして、彼は答えました。
「うーん、聞く人の心が違うねんな…」
あまりの直言で言葉が出ませんでした。
私は、彼は子どもながらに様々なことを考え、迷い、答えを出そうとしているのだなあ…と、とても感動した事を覚えています。
この千輝は、文化祭のセリフも、練習では参加もせずずっと言えなかったのに、本番では誰よりも大声でセリフをきっちり言いました。先生が思わず
「あんなに出来るんですね」
と大泣きして下さった事を懐かしく思います。人は余り姿や言動で決め付けてはいけないものだとも気付かされました。
今では東京のアニメ会社「studioピエロ」というところで「NARUTO」の制作も担当しています。
「だんごどっこいしょ」を聞いて、ああ、幼い次男千輝に読んであげれば良かった…と、思ったのでした。絵本の読み聞かせは、子どもだけでなく、私たち大人の心にもなにかを「呼び起こさせる」力があるようです。
この送別会では、最後にさらなる感動が待っていました。小さい頃、その先生に頂いた「天使のかいかた」という本をずっと持っていた子が、その頂いた本にお礼のメッセージを書いて先生にプレゼントして返したのです。本当に小さい頃から持っているので、本をかじった跡などで、端もボロボロになっているのですが、それが逆に、本と先生への愛情を表しています。
先生も生徒さんも涙でぐちゃぐちゃです! 教える先生も素晴らしいですが、それを素直に心に受け止め、育っていく生徒も母親も素晴らしい…。
なんと尊い関係なのでしょう。ケータリングで、また大きな宝物を頂きました。
「その二」
先日チンチン電車で川柳の会(相合傘)がありました。
当日参加者である私がお料理をさせて頂くことになり、ベストサーブのケータリングを電車の中で盛り込み、動く電車の中で食事をしながらの川柳“チンチン電車を愛する会”の旭堂南陵氏のお世話によるもので、本当に楽しい会でした。
何人かの方から料理よしのメールを頂き、川柳例会の余韻が何日も続きました。

「だんごどっこいしょ」を読まれる先生の姿に、
テレビで見聞きした「まんが日本昔話」に
匹敵する素晴らしい感動を覚えました。
伊丹のスワンホールにて。

阪堺電車のこの可愛い車両が今回の例会場所。
天王寺 → 浜寺 → 我孫子 → 天王寺の
約2時間30分、車窓からは不思議な昔に
タイムスリップしたかの景色がぼんやりと・・・

新野新先生、古川嘉一郎先生、成瀬國晴先生、
旭堂南陵先生、はじめ多くの名だたる先生方の
おかげで、皆川柳の力はメキメキ?
本当に楽しい相合傘です。
いつも大変なお世話役の大谷氏と。

「桂三枝の相合傘」から始まり、中田昌秀先生
という師とめぐり逢い続けてきました川柳。
この会も随分新しいメンバーが増えました。