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奇妙なご恩がえし・・・フランスの旅
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    今年でケータリング十周年の節目を迎えました。私の三男の千麿が始めた事業で、私たち親子の間でその時から秘かに決めていたことがありました。10年経ったら富井様にお礼に行こうね、と。
    そして先日、フランスのパリを訪ねました。
    富井様ことトミーは純粋な日本人で今年で85歳になられますが、今も矍鑠としたお姿で、ジョエル・ロブションというフランス料理最高峰の店のテレビ番組のコーディネーターとしても活躍しておられます。
    そんなお方を私たちが何故にお訪ねしたかというと、話は20年前にさかのぼります。
    千麿がまだ中学生だったころ、ORA主催の研修旅行に参加したことがありました。たまには旅行もできる余裕が私にもやっと出来た頃だったと思います。その年の旅先はフランスで観光をかねて色々なフランス料理の店を見てきたのですが、そのときのツアーガイドをして下さったのが富井様だったのです。
    出会い早々、並のガイドではないことは誰の目にもわかりました。単に観光ガイドに博学だっただけでなく、たとえば老舗のパン屋の前を通るときなど、ここのパンは塩の産地が悪いとか、バターの分量はどうのこうのと、そのあまりの詳しさに私達はあっけにとられっぱなしでした。そしてとうとうツアー最後のレストランに入った時、彼は、
    「あなたたちはいやしくも外食産業の人間でしょう。そのあなた達がこんな店を選ぶなんて最低だ。私はここで一緒の食事はお断りします!私は帰ります!」
    と憤慨のあまり、さっさと帰ってしまわれました。
    何と変わったガイドだろう。中にはその単刀直入の言動に不快感をもった者もいたようですが、私は彼の感性の鋭さにとても興味を感じていたので、夜な夜なフランス料理のお話やハーブのお話や、フランスの歴史について、旅の間すっかり仲良しになりました。今回のガイドのお礼にと花を家に届けて帰国致しました。
    それから数年後、千麿の京都外大卒業後の修行先の店を選ぶときになって、突然富井様が私たちの前に舞い降りてくださったのです。そう、天上界から舞い降りてくださったとしか言いようがありません。ガイドの時はその片鱗も見せず、ただ変なおじさんと思わせた富井様こそ、フランス料理界に知らぬ者もない、ロブションのコーディネーター!ロブションを育てた方!

    大統領をはじめ、各国の大物でさえ彼とアポをとるのが困難だという、まさに料理界の重鎮だと知った時は正直気後れがしました。
    でも奇跡は起きたのです。ガイドの時にもらった名刺をたよりに連絡が取れた時の信じられない嬉しさ。非常識なこちらの要望を聞いてくださった時の驚きと感激。
    「その気があるなら来なさい。勉強になるよ」
    たしかに勉強になったはずです。包丁の扱い方、いちご1ピースにかけるこだわり、語り尽くせない緻密さ・・・・・・仏料理界NO.1のロブションに漂う空気にふれるだけで大きな勉強になったはずです。
    こうして、千麿にとって最高の修業の時が過ぎ、彼の帰国と時を経て料理研究家の田中愛子先生の門下生として学び、ケータリング事業を始めたわけです。和食の正弁丹吾グループ(頓珍館、ひら川)とはまた違ったN.Yスタイルケータリング・ベストサーブが、富井様との出会いがあったから始まった事業です。


    「10年たったらお礼に行こうね」
    は当然のことで、私達は事前にアポも取らず、お会いできることを祈りながら(お会いできなければ、前のように感謝の気持ちをお伝えすればいい)パリに行きました。そして今度も奇跡は起きました。パリ入り前日リヨン駅からの電話が通じて、私達は面会出来ました。私たちが持参したのは、10年間のケータリングの料理の写真だけです。富井様はその一枚一枚を熱心に見終えると、千麿に笑顔を向けて言われました。
    「成長したね。赤が上手に使えてる。料理には赤が大事だからね。10年よく頑張ったね。これからも頑張んなさい」
    彼のこのひと言に、千麿が心震える程の感動に励まされたことか。これからのさらなる精進を彼の前で、そして自分自身に誓ったことか。
    翌日、富井様は私たちに夕食をご馳走して下さいました。
    お礼に伺った親子が、お礼のお品もなくご馳走になって帰ってくる。
    談笑のうちにも料理における美の極地を無言で教えて下さったひとときでした。
    何も返せない。
    何も受け取ってくださらない。
    こんなご恩返しもあるんだ〜と私は胸がいっぱいになりました。




    ルーブル美術館は以前滞在中に五日間ぐらい通いました
    今回は車からの写真のみ


    マチスの本物の絵が飾られる「来々軒」
    オペラ通りから少し上がったところです
    達筆な富井様の手紙と記念写真を


    ここは日本の芸能人を始め各界多くの方が集うところ
    大好きな石井しげこ様にも逢えて再会に感謝


    「ご恩」なんて言葉が軽く使えない富井様
    20年前のフランスの旅から本当に心の変わらない
    ステキな方
    85才のステップは青年のようでした

    posted by: shobentango | - | 22:58 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
    管理者の承認待ちコメントです。
    | - | 2016/08/16 12:34 PM |









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