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勤続20周年の厚ちゃんを祝う会
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    先日、ついに勤続20周年を迎えた彼女、通称厚ちゃんと二人で、祝う会を開きました。
    初めて出会ったのは、厚ちゃんが14歳の時。彼女のお祖父さんのお葬式でした。彼女のお祖父さんは私の遠縁にあたり、鍛冶屋をしていたのです。そして彼女はお葬式の斎場で私の姿を見つけ
    「あの人、だれ?」
    といきなりお母さんに聞いたそうです。
    厚ちゃんのお母さんは昔、(昭和45年、私の独立当時の右腕)私のお店で働いてくれていた人。
    「私が21の時に、5年勤めていたところの経営者よ」
    と説明したところ、なんとまだ中学2年生にもかかわらず、厚ちゃんは
    「就職するならこの人!この人の経営する店!」
    とその場で決めたといいますから驚きです。
    そして本当に、中学校の卒業式の日から、アルバイトとして頓珍館に勤め始めました。それから池田北高校の3年間、風邪で学校を休むことはあっても、夜のアルバイトは一日も休んだことはなかったのです。
    「学校はおもしろくないけれど、頓珍館は面白い」
    これが家での口癖だったといいますから、彼女に本当に合っていたのでしょう。
     そんな厚ちゃんは、私に言わせると「たたき上げの職人」。阪神大震災の時、名言を残しています。当時、震災の影響でお店を開けてもお客さまは来ない日々が続きました。お店側も、やることがないバイトは早く帰ってもらうしかありません。厚ちゃんは授業料以外、自分の交通費や食費をアルバイトをして稼いでいたので(昔はそんな学生がいっぱいいたのです)、とても困ったと思います。そんな時まだ学生の彼女が呟いたのは、こんな言葉でした。
    「頑張らないと!! お店にお客様が来なければ商売は成り立たない。私たちのアルバイト料は出ない。私の生活も成り立たない。お客様あっての店です」
    その子が、今年20周年を迎えたのです。私の忙しさもあったのですが、どうしてもお祝いだけを渡すということが出来ず、二人でゆっくり人生を語りあえる時間を取りたい…ということで、やっと秋の京都に一緒に出かけることが出来ました。
     とはいえ、彼女は腰が悪いので京都の町をあちこち散策して歩くことができません。落着けるところを、と駅の近くにある名店「柚子屋旅館」に行くことにしました。
     柚子屋旅館は祇園・八坂神社さんのお隣りに佇む「京の山居」で、随所に使われた古い板戸や蔵戸が本当に粋。静寂に包まれ、高級店のノウハウがぎっしりと詰まった本当に素晴らしいお店です。
    お料理も最高。店の名の通り柚子をふんだんに利用していて、特に朱盃のお膳に並んだおばんさい十五点は見るだけで「目に美味しい」! そして柚子を丸ごと1個入れてある雑炊は、かつおと昆布のお出汁に柚子果汁の酸味が効いていてたまらない味です。
    そして、私がここに来た一番の目的は、今回厚ちゃんに「接客」を見てほしかったのです。京都は学生の街で、多くの店のホールで、学生が活躍しています。しかも、全てにおいて素晴らしく教育されているのです。
     柚子屋旅館も「この子も学生じゃないかな?」と思う若い子がたくさんいましたが、素晴らしい接客、挨拶、細やかな料理の説明も完璧にこなし、重いお皿の上げ下げも音ひとつさせないのです。
     また、京都は京大や同志社や立命館など頭脳明晰で英語ができる学生が多いのが強みです。うちの三男坊の千麿(カズマ)も京都外大時代に英語ができましたので、「やげんぼり」という高級店でお世話になったのですが、早くからカウンターで天ぷらをあげさせてもらっていました。料理の能力としてはまだまだなのですが、外国人の観光客が多く、通訳ができる子が板前にいるというのは「名店」の条件になるみたいです。
     私たち頓珍館やひら川も、あるレベルを保つためには何が必要か? お料理の説明、立ち居振舞い。厚ちゃんにそれらをもう一度見て、20年の慣れを払拭し「頑張らないと、お店にお客様が来なければ商売は成り立たない」と豪語した若き日の初心を思い出してほしかったのです。
     そして、お食事も落ち着き、彼女に
    「ここ(頓珍館)に来てよかった?」
    と聞いたら、
    「人として、大人として、女性としてどう生きていくかを教えてもらいました。育ての親というのがありますが、まさに母より厳しくて、優しくて……」
    と泣きながら話してくれました。
     経営者冥利に尽きるとはこの事です。こういう人が育ってくれるから、この齢でささやかな事でも従業員のために・・・と生活できる所以です。
     しかも、お返しの精神がしっかり根付いている彼女ですから、次の週には同じように京都に行き、一緒に歩いた四条通りの店で京都ならではのプレゼントを買ってきて、
    「先日のお礼です」
    とお礼状を添えてお返しに来てくれました。
     この殺伐とした時代、こんな人もいるのです。
    2001年発刊の「ナニワ女の商いの道 商売なめたらあかんで」(講談社)には彼女を「最後の教え子」と紹介していますが、もう少し私に体力と気力がある間は、これからも従業員教育を楽しくがんばりたいと思っています。
    今年も大変な不況の中・・・やっとこさっとこ終われます。
    皆様、本当にありがとうございました。






    恒例の新春お年玉セール
    新年は1月4日〜15日まで
    テレビ、雑誌でおなじみの『頓珍館鍋』
    一人前  2100円 → 1500円
    でスタートさせて頂きます

    どうぞ、皆様よいお年をお迎え下さいませ。





    柚子屋旅館・・・この階段を上がれば、タイムスリップしたかのような店内に。今の時代に八坂神社のすぐ横にこんなお店があるなんて!!


    店に入ると山盛りにされた柚子!向かいには奥戸さん!私の沢山の想い出が残る店でもあります


    この酒盃の15品目、行くたびに少しずつお料理は変わります
    This is 日本!のステキな盛り込みです


    この柚子まるごと1ヶ入った雑炊はお料理屋はたくさんあっても
    この柚子屋旅館ならではの逸品です
    その香りや美味しさに出会うために、多くの人がこの店を訪れるのでしょう
    posted by: shobentango | - | 01:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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