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美術の秋 竹内画伯展と『聲明の調べ』
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     私は、春と秋はできるだけ多くの芸術に触れるよう自分の時間を作るようにしています。
    日本には「四季」という大変美しい季節の流れがあり、その中でも特に風流な春秋に、伝統や美術を見て感性を刺激するのは一年の自分へのご褒美、とても大切だと思うのです。
     今回、京都で打ち合わせがあった際、偶然開催されていたのが京都市美術館開館80周年記念「竹内栖鳳 近代日本画の巨人」展でした。
    竹内栖鳳という名前に覚えがなくとも、絵を見れば誰もが「ああこの絵か!」とお分かりになると思います。1864年京都生まれの竹内栖鳳の画風は、四条派を基礎としているのですが、明治期の西欧遊学体験を踏まえて、西洋の写実画法などを意欲的に取り入れた革新的なもので、京都画壇に新風を巻き起こしました。
    その大画面を破綻なくまとめる確実な技量のみならず、その筆法には悠然たる迫力を備えており、近代を代表する大家であることは誰もが認めるところです。
    さらに栖鳳は弟子の育成にも力を入れ、彼の主宰する画塾「竹杖会」からは、上村松園や西山翠嶂をはじめ、西村五雲、土田麦僊、小野竹喬、池田遙邨、橋本関雪ら名だたる俊英を多数輩出されています。
    今回の展覧会は、各地に所蔵される代表作約110点,資料約60点を一堂に会しているという非常に貴重な内容だそうで、そんなときに偶然仕事で京都に来て、これを見る事が出来た私は、本当に幸運でした。
    「動物を描けば、その匂いまで描く」と言われた達人だけあり、代表作である「班猫」や「大獅子図」(それまで日本での獅子といえば、それまでは唐獅子など空想上の生き物の絵のみだったのが、竹内栖鳳が生きたライオンを初めて描いたそうです)は息を飲む大迫力で、しばらく絵の前で動くことができなくなるほどでした。
    また、彼は「写生に始まり写生に終わる」徹底した実物観察を盛り込み、日本で初めてヌードモデルを使った人でもあるのだとか。モデルが服を脱ぐ瞬間を描いた「絵になる最初」は女性が恥じらい、半泣きになり着物を落しそうになっている姿が瑞々しく、とても印象的でした。東本願寺の天井絵のための天女画の試作「散華」も素晴らしかったです。天女を描くためにヌードモデルに様々なポーズをさせ、上から鏡で写し、写生を行ったという竹内画伯のこだわりが本当に絵に生きている、という感じでした。
    本当に見て良かった…! 竹内画伯の出会いは、今年の秋の大収穫でした。
    奈良では正倉院展をやっていました。私は今回は奈良には行けなかったのですが、見に行った知人から「さすが、約1250年と長きに渡り守られてきた物は違う。心が震えた!」と聞き、やはり、脈々と受け継がれる伝統的な芸術の感動は「別格」なのだな、とつくづく確信致しました。
    平安神宮にも、成人式のお参り以来、朱の門を47年ぶりにくぐりました。
    47年の月日の早さと共に、成人式の自分の一張羅の着物!真っ白なフェザーショール!
    その姿の私が朱の門の下に立っていました。これからの人生に希望を持って若く美しい立ち姿でした(笑)
    そしてもう一つ、大きな「衝撃」を受けたコンサートの話を……。
    11月8日、京都府立府民ホールアルティで催された、大原魚山塾による「天台聲明の調べ」を聞きに行きました。
    「大原魚山塾」とは、は天台宗・浄土真宗・浄土宗・融通念仏宗各派の僧侶からなる、とても有名な声明研究会です。KBS京都主催で毎年晩秋に公演されていて、毎回様々な音楽家とコラボレーションされているそうです。
    今年のコラボは、NHK朝ドラ『あまちゃん』の主題歌を担当されていた大友良英さん、そしてタブラ奏者のU-zhaanさんということで、私も鈴木美智子さんのラジオでこの催しを知り「これは一度聞かなければ!」とチケットを取ったのでした。
    『仏さまのミュージック すべての「きこえ」が聲明のハーモニーと相まって幽玄な音彩を織り成す古くて、新しい癒しと祈りの音楽』
    という紹介の文面があったのですが、そういった言葉を通り越した驚き、とでも言いましょうか。
    僧侶の方が、舞台で線香をたいている、通路に10センチくらいの花びらのような紙を豆まきのように私たちの方におごそかにまくのです。そんなパフォーマンスに圧倒。しかも聲明が何をとなえてているかは全く訳が分からない、上手・下手の基準も分からないのですが、すごいものを聞いているな、すごいコラボなのだな、ということはヒシヒシと伝わってきました。ギターと思えない音の不思議。タブラという楽器の音の不思議。観客席を見回すと観客も僧侶の方が多く、ちょっとした「異次元空間」に行った錯覚に陥りました。
    京都は本当に行くたびに深い発見があります。このほか、素晴らしい季節の味や工芸品にも触れる事が出来たのですが、これはまたまた長くなりそうなので(笑)「美味探究」として、来月ゆっくり書かせていただきます。


    京都市美術館です
    この建物そのものが芸術作品!!
    京都の美術館って感じですね


    竹内栖鳳
    こんなにすごい画家が明治時代に、
    それもその時代にパリに渡り
    ライオンもヨーロッパで見たその時の
    西洋とも日本ともいえない絵でした


    この朱の門は成人式以来!
    47年の月日を経てあざやかな色彩が
    この月日を忘れさせてくれました


    天台聲明の調べ
    『仏さまのミュージック すべての「きこえ」が聲明のハーモニーと相まって幽玄な音彩を織り成す古くて、新しい癒しと祈りの音楽』
    この音楽は一生忘れない音として私の心に残りました」
    posted by: shobentango | - | 02:11 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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